エンディングノートの書き方完全ガイド|必須11項目と福岡の無料配布・相談窓口
エンディングノートとは?遺言書との違い
生前整理の一環として、近年注目を集めているのが「エンディングノート」です。エンディングノートとは、自分にもしものことがあったときに備えて、家族や大切な人に伝えておきたいこと、自分の希望などを書き留めておくノートのことです。
エンディングノートと遺言書は混同されがちですが、明確な違いがあります。最も大きな違いは「法的効力の有無」です。遺言書は民法で定められた厳格なルールに従って作成する必要があり、財産の分割などに関して法的な拘束力を持ちます。一方、エンディングノートには法的効力はありません。そのため、財産の分配についてエンディングノートに書いても、法的にその通りに実行される保証はありません。
しかし、エンディングノートには遺言書にはないメリットがあります。それは「自由に何でも書ける」ということです。医療や介護の希望、葬儀の希望、家族への感謝のメッセージなど、遺言書には書ききれない自分の想いを伝えることができます。また、形式に決まりがないため、いつでも気軽に書き始められ、何度でも書き直すことができます。
エンディングノートに書くべき必須11項目
エンディングノートには決まった形式はありませんが、残された家族が困らないように、以下の11項目は必ず書いておくことをおすすめします。
1. 自分の基本情報
氏名、生年月日、本籍地、現住所、マイナンバー、運転免許証やパスポートの番号などを記載します。これらは各種手続きで必要になる重要な情報です。
2. 医療情報
かかりつけ医の連絡先、持病、現在服用している薬、アレルギーの有無、過去の大きな病歴や手術歴などを書きます。緊急時に適切な医療を受けるために不可欠です。
3. 財産情報
預貯金(銀行名、支店名、口座番号)、不動産、有価証券、借入金(ローンや借金)などの情報を整理します。暗証番号はセキュリティの観点から直接書かず、別の安全な場所に保管し、その場所を記載するなどの工夫が必要です。
4. 医療・介護の希望
認知症になった場合や、終末期を迎えた際の希望を書きます。延命治療を希望するかどうか、臓器提供の意思、希望する介護施設や在宅介護の希望などを明確にしておくと、家族が重い決断を迫られた際の助けになります。
5. 葬儀・お墓の希望
信仰している宗派、希望する葬儀の規模(家族葬か一般葬かなど)、遺影に使ってほしい写真、納骨先の希望(先祖代々のお墓、樹木葬、散骨など)を記載します。
6. 相続・遺言書
遺言書を作成しているかどうか、作成している場合はその保管場所(公証役場、自宅の金庫など)を明記します。これにより、死後の相続手続きがスムーズに進みます。
7. 保険・年金
加入している生命保険、損害保険の会社名と証券番号、基礎年金番号などを書きます。保険金の請求漏れを防ぐために重要です。
8. デジタル資産
スマートフォンやパソコンのパスワード、利用しているSNSのアカウント情報、メールアドレス、サブスクリプション(定額制サービス)の契約状況、暗号資産(仮想通貨)の情報を記載します。死後のアカウント削除や解約手続きに必要です。
9. 家族・友人への連絡先
自分に万が一のことがあった際、訃報を知らせてほしい人のリストを作成します。氏名、関係性、連絡先(電話番号や住所)をまとめておきましょう。
10. ペットのこと
ペットを飼っている場合は、かかりつけの獣医の連絡先、ペットの性格や食事の好み、そして自分が世話できなくなった際の引き取り先(里親や保護団体など)を記載します。
11. 自分史・メッセージ
これまでの人生の振り返りや思い出、そして家族や友人への感謝のメッセージを綴ります。残された人にとって、何よりの宝物になるはずです。
エンディングノートの書き方のコツ
エンディングノートを書き始める際、最初から完璧を目指す必要はありません。以下のコツを押さえて、無理なく進めましょう。
まず、鉛筆や消せるボールペンで書くことをおすすめします。状況や気持ちは時間とともに変化するため、後から修正しやすい筆記具を使うのが便利です。
次に、定期的に見直し、更新することが大切です。年に1回、例えば誕生日や年末年始など、見直すタイミングを決めておくと良いでしょう。家族構成の変化や、資産状況の変動に合わせて内容をアップデートします。
そして最も重要なのが、エンディングノートの保管場所を信頼できる家族に伝えておくことです。せっかく書いても、いざという時に見つけてもらえなければ意味がありません。ただし、財産情報などの重要な個人情報が含まれるため、普段は安全な場所に保管しておく必要があります。
福岡市での無料配布情報と相談窓口
福岡市にお住まいの方には、市が提供している無料のエンディングノートを活用することをおすすめします。
福岡市では、株式会社鎌倉新書との協働により「マイエンディングノート」を発行し、無料で配布しています(現在は令和8年度版が配布されています)。このノートは、福岡市民向けにカスタマイズされており、市の相談窓口情報なども掲載されているため非常に便利です。
【配布場所】
- 情報プラザ(福岡市役所1階)
- 各区役所の情報コーナー
- 各区の地域保健福祉課
また、福岡市の公式ウェブサイトからPDF形式でダウンロードすることも可能です。まずは簡易的なものから始めたいという方には、「もしものときに伝えたいこと」というリーフレット版も用意されています。
エンディングノートの書き方や、生前整理全般について専門家に相談したい場合は、福岡市終活サポートセンター(福岡市社会福祉協議会内)を利用するのがおすすめです。相談は無料で、月曜日から金曜日の9:00〜17:00まで受け付けています(電話番号:092-406-0168)。専門の相談員が親身になってアドバイスをしてくれます。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)について
エンディングノートの「医療・介護の希望」の項目を考える際、ぜひ知っておきたいのがACP(アドバンス・ケア・プランニング)です。厚生労働省はこれを「人生会議」という愛称で呼んでいます。
ACPとは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人の意思決定を支援するプロセスのことです。
エンディングノートに自分の希望を書くだけでなく、元気なうちから家族や医療関係者と「どのような最期を迎えたいか」「どのような治療を望み、何を望まないか」について話し合っておくことが重要です。人の気持ちは変化するものですから、一度話し合って終わりではなく、繰り返し話し合う(人生会議を開く)ことが推奨されています。
まとめ
エンディングノートは、残される家族への思いやりであると同時に、自分自身のこれからの人生をより良く生きるための道しるべでもあります。福岡市では無料のノート配布や相談窓口など、サポート体制が充実しています。まずは書ける項目から、少しずつペンを取ってみてはいかがでしょうか。
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